ペルセウスは私が中学校1年のときに我が家にやってきたビーグル犬♂。
っていうことは13年くらい前の話。
なんでペルセウスって名前がついたかというと…ある夏に家族揃って庭でペルセウス流星群を見たことがあって。流星見ると願い事叶うっていうじゃない?流星はあっという間に消えてしまうけど、うちにはペルセウスがいたからね(笑)ペルセウスは正式名で、いつもはペルって呼んでた。ぺ~るちゃん、とかぺる~っってね。
その名に引けをとることなく、本当に頭が良くて、忠実で、格好良くて、愛らしく、後に我が家に幸せをいっぱいもたらしてくれた。家族だった。
反面、頑固で、食い意地がはっていて、甘えん坊で、寂しがりや。特に、家族ということに関してはかなり敏感だった。自分が仲間外れにされてると気づくと必ず訴える。その訴え方はときどきしゃべってるんじゃないか?って間違うほど。「ね、ね、ね、僕は??僕??」って。そこでペルの話が中心になると、すごく満足した顔になる。(笑)本当、笑った顔になるんだもん。
家族が転勤や進学でばらばらになって私なんか特にペルに会うのは1年に1度になってしまってても、会えば素直に喜んでくれた。窓の外をそっと覗いてみると、彼の澄んだ瞳とばっちし合う。合うとクゥ~ンと何度も私が相手してくれるまで鳴きながら訴える。しばらくすると飽きられるんだけど・・・。憎めない。
そんなのがずっとずっと続くといいなって思ってた。
けど心の隅でいつかはお別れするときが来ると思ってた。見ないふりしてきたけど。
あんなにいっぱい一緒に鬼ごっこしたのに、走れなくなって・・・あんなにいっぱい食べてたのに、残すようになって・・・あんなに美形だったのに、がりがりに痩せてしまって。もう次親もと帰ったら会えないかもしれないことは覚悟していた。
でもやっぱりその事実を聞かされると、一番最初に感じたのが「悔いと怒り」。
自分は何もしてやることができなかった。元気なうちにどうしてもっとぺるにやさしくできなかったのだろう??自分に対する苛立ちが現れた。
次に感じたのが「深い悲しみ」。
泣くまいと思っても勝手に涙がでてくる。
ペルが危篤と聞かされ、病院にかけつけたパパとママが向かうと、ぐったりしていたはずのペルは最期満身の力を振り絞ってお座りをして二人を迎えたらしい。元気なときの面影はもうどこにもないけど、ペルの目だけはあいも変わらず澄んでいたとのこと。さすが我が家の貴公子。
その姿を想像すると誇らしいと同時に余計悲しくなる。
そして最後に「願い」の気持ちが。
一体ペルは最期どんな気持ちだったのか?パパとママに看取られて安心して幸せな気分であったと信じたい。病院から一緒におうちに帰れておいしいごはんを食べる夢を抱いていてくれたと信じたい。ぺるが大好きだったおばあちゃんに天国で会えたと信じたい。そしてパパ、ママ、私、弟の心に時々でいいから遊びに来てほしい。
今はこの3つの感情が私の中をめぐりめぐっている。
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